2016/09/15
「未完成映画予告編大賞」PVを演出 藤原知之監督のコメント第一弾
「未完成映画予告編大賞」PRムービー、オリエンテーションムービーを演出した藤原知之監督(オフィスクレッシェンド)からコメントが届きました。
今回はその第1弾をお送りします。今後もコメント第2弾や他スタッフのコメントも届きしだいお伝えします。
「未完成映画予告編大賞」PV撮影ウラ話
監督・藤原知之(オフィスクレッシェンド)
◯どんな人に見てもらうことをイメージして作ったか
プロデューサーと打合せしていく中で、(「未完成な私たち」の)主人公は十代後半〜二十代ぐらいの映画作りを目指している子達にしようとなったので、見ている同年代の人たちにきちんと響くといいなと思いましたが、その延長線上で映画に限らず何かを志している人や、夢が見つかっていないような人にも何か伝わるものがあればいいなと思いながら作りました。
◯ロケ場所について
・映画館
「映画が好きなんだな」というのが普通のシネコンのような映画館より名画座だと1カットで伝わると思って。でもやっぱり撮影していても雰囲気があってとても良かったです。
・田んぼ
田んぼの中の女子高生とかって最初はちょっとやりすぎかなと思って、ロケハンの時は(田んぼの)横の舗装された道路と迷ったんですけど、やるならこのぐらいやった方がいいかなと。冒頭の学校のシーンは色味が少ないので、このシーンの田んぼの緑で青春の感じが分りやすく出たかなとは思います。それと自分が都会で育っているのでああいう風景に憧れもありました。
・学校
ロケハンに行った時はすごい晴れていて校庭から見える富士山がとっても綺麗だったんですが、実際のロケの時は曇って映らなかった(笑)。こういうことはよくあって「ロケハンあるある」なんてよく言うんですが、でも今回はそれはそれで、暗く青い空の色と(「未完成な私たち」の)彼女たちの心情が重なったような面白い画が撮れたと思います。
◯天気の話
(台風が直撃した中での撮影となり)校庭のシーンは降るならどしゃぶりぐらい降って欲しかったけど、実際どしゃぶりになっていたらやり過ぎの画になっていたかもしれないし、表情が伝わりにくくもなるんで。やっぱり最終的には降らなくて良かったかもしれない。でも何だかんだでこういう時は、結局「逆に良かった」ってなることが多いです。それは各部のスタッフが現場で状況に合わせて最悪を想定して動いていて、どう転んでも良い方向に持っていけるように準備しているからなんだと思います。
自分には演出面でのクオリティの責任があるからダメな時はダメって言うけど、今回はどんな天気になっても面白い画になると思ってやっていました。
◯お芝居について
・「未完成な私たち」の二人(三浦透子さん、金井美樹さん)にはお芝居は付けませんでした。役の境遇や心情を伝えるだけで表現できる役者さんだったので。撮影も彼女たちの芝居に合わせて変えました。例えば「サクラ」役の三浦さんの芝居が良かったから冒頭カットを正面からの彼女の顔にしたり。彼女達の芝居をそのまま切り取る感じで撮りました。
・「ボクと彼女と、そしてボク」の方は、そもそもこのコンテストの説明ありきの芝居だったので、逆に細かく決めた画にはめるようにやってもらいました。芝居のキャラが強烈な池田鉄洋さんとの掛け合いが重要だったので、負けないぐらいキャラが立った3人(亜蓮さん、米本来輝さん、菊池宇晃さん)をオーディションで選びました。